― 認知動作型トレーニングの理論を背景に ―
みなさんは、「歩くときにふらつくようになった」「思ったより体がスムーズに動かない」「体を動かすとすぐに疲れてしまう」と感じたことはありませんか?年齢とともに筋力が落ちるだけでなく、体の動かし方やバランスの取り方も少しずつ変化していきます。その結果、転びやすくなったり、日常動作に不安を覚えたりする方も少なくありません。
そんな悩みに応える運動器具として注目されているのが 東京大学 小林寛道名誉教授が監修した「ソーラーポール」 です。
ソーラーポールとは?
ソーラーポールは、足に装着して使うシンプルな運動器具です。最大の特徴は、右手と右足、左手と左足といった「同じ側の手足を同時に動かす」という 同側動作 を基本にしていること。
従来の運動では「右手と左足」のような交差動作が多く取り入れられてきましたが、ソーラーポールではあえて同側動作を行うことで、普段あまり使わない神経回路や筋肉を刺激します。これが脳と体の新しい連携を生み出し、従来のトレーニングとは異なる効果を期待できるのです。
背景にある「認知動作型トレーニング理論」
ソーラーポールの運動は、東京大学名誉教授・小林寛道先生らによって提唱された 認知動作型トレーニング理論 に基づいています。
この理論は「脳が体の動きをどのようにコントロールしているか」に着目し、単に筋肉を鍛えるのではなく、脳と体を一体として鍛えること を目的としています。つまり、ソーラーポールは「頭で考え、体で実行する」というプロセスを自然に促しながら、効率的に身体機能を高めていくトレーニングなのです。
ソーラーポールで得られる効果
- 身体操作能力の改善
体を思い通りに動かす「身体操作能力」は、年齢とともに低下しがちです。ソーラーポールを使うことで、普段使わない筋肉や神経を刺激し、体の反応をスムーズにすることができます。例えば、歩くときに足がしっかり上がるようになったり、腕の振りが自然になったりと、動作全体が軽やかになります。
- バランス能力の向上
転倒は高齢者の大きなリスクですが、バランス能力を高めることで予防が可能です。ソーラーポールを使った同側動作は、体幹を安定させながら動く練習になるため、ふらつきにくい体づくり に効果的です。
- 動きの柔軟性を高める
「動きが硬い」「ぎこちない」と感じる方にも、ソーラーポールはおすすめです。同側動作によって体の連動性が高まり、全身の動きが滑らかに。ダンスやスポーツのパフォーマンス向上にもつながります。
- 脳の働きの改善
ソーラーポールは体だけでなく、脳にも良い影響を与えることがわかっています。同側動作は脳を刺激し、神経回路の活性化を促します。その結果、認知機能の維持や改善に役立つと考えられています。
どんな人におすすめ?
・高齢の方:転倒予防や日常動作の安定を目指す方に。
・リハビリが必要な方:無理なく全身を使う動きが可能。
・スポーツ愛好家:体幹の強化や動作のキレを求める方に。
・子どもや若年層:体の使い方を学び、柔軟な動きを育てたい方に。
・年齢や目的を問わず、幅広い方に取り入れていただけるのがソーラーポールの魅力です。
続けやすさも魅力
ソーラーポールは省スペースで使用でき、畳一枚ほどのスペースがあれば十分です。自宅のリビングでも使えるので、特別な環境を用意する必要はありません。毎日の生活に気軽に取り入れられる点が、長く続けやすい理由です。
REHABでの取り組み
当施設REHABでは、VRを活用した最新のリハビリに加えて、このソーラーポールを活用した運動プログラムも導入しています。専門スタッフが一人ひとりの状態に合わせてサポートしますので、安心して取り組んでいただけます。
体を動かすことに不安がある方でも、ソーラーポールを通して「できる」「動ける」という実感を得ていただけるはずです。
まとめ
ソーラーポールは、認知動作型トレーニング理論を背景に開発された、シンプルながら奥の深い運動器具です。身体操作能力、バランス能力、柔軟性、そして脳の働きにまでアプローチできる点が大きな魅力です。
「最近、体の動きが気になる」「いつまでも元気に動きたい」そんな思いを持つ方に、ぜひ一度体験していただきたいトレーニングです。
